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音がひらく時間
カナダで、日本人ピアニストの演奏を聴く機会がありました。
その音はとても自由で、
一音一音が光っているように感じました。
そのとき、ふと思いました。
自然の中で、誰にも気をつかわず、
窓を開けて、森に向かってピアノを弾けたら、
どれほど気持ちいいだろう。
防音室に音を閉じ込めるのではなく、
風や鳥の声、木々のざわめきと一緒に、
音が自然へひらいていく。
そんな時間があったら、
新しい音楽や自由な発想が
生まれるきっかけになるかもしれない。
Maniwa Senseのはじまりには、
そんな小さな想像がありました。
なぜ、真庭なのか
真庭市は、岡山県北部にある、
自然豊かなまちです。
蒜山高原の広がり、湯原温泉のぬくもり、勝山に残る古い町並み。
大きく飾られた観光地ではなく、
暮らしの中に、静かな美しさが息づいています。
派手ではないのに、心に残る。
忙しい日々の中で忘れていた感覚が、
そっと戻ってくる場所。
感性を育ててくれたもの
この場所への想いの奥には、
幼い頃から感じてきた季節の記憶があります。
春の、眠くなりそうなやわらかな陽気。
夏の夕方に響く、ひぐらしの声。
秋の澄んだ空気と、金木犀の香り。
冬の静けさと、ストーブの匂い。
季節は、ただ見るものではありませんでした。
匂いを感じ、音を聞き、
手を動かしながら、暮らしの中で受け取るもの。
山菜を摘むこと。梅シロップを仕込むこと。
柿を干すこと。餅をつくこと。
そうした日々の感覚が、
知らないうちに自分の感性を育ててくれていたのだと思います。












